ケアマネージャーってどんな資格?取得方法や保有メリットを紹介
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日本が高齢社会になるにつれ、介護職はその重要度を増しています。
介護職とひと口に言っても、さまざまな業種がありますが、本記事では「ケアマネージャー(介護支援専門員)」について解説していきます。
ケアマネージャーとはどんな資格か、資格の受験資格はどのようなものか、さらに試験の流れと大まかな内容、最後にケアマネージャーの資格を取得することでどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
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ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?
はじめにケアマネージャーという資格がどのようなものか、また具体的な仕事内容はどのようなものかをご紹介します。
ケアマネージャーは国家資格ではないものの、介護サービスを提供する施設にとっては重要なポジションであり、仕事の幅を非常に大きく広げてくれるものです。
まずはケアマネージャーの基本情報を知り、概要を把握しましょう。
◆ケアマネージャー資格の概要
ケアマネージャーは「介護支援専門員」とも呼ばれており、介護保険制度をもとにしてケアマネジメントを行う仕事です。
介護保険法によって定められた専門職であり、介護を行う事業所や施設には、必ずこの資格を持った人間が必要とされています。
介護が必要な方に対して、サービス計画書であるケアプランの作成や、サービスを行う事業者との調整をする仕事で、介護保険の専門家だと言えるでしょう。
すなわち、介護サービスを受けたいと考えている人と、実際にサービスを展開している施設をつなぐ役割を持っているのです。
最初に両者の連絡等を行うだけでなく、サービス開始後に利用者から施設側への要望を伝えたり、施設側からの説明などを利用者へ伝えたりといったことも行います。
▼詳しくはこちら
40代未経験でケアマネージャーに転職!資格取得や求人の探し方を解説
◆ケアマネージャーの具体的な仕事内容
ケアマネージャーとしての仕事は多岐にわたりますが、ここではメインとなるものについてご説明します。
1つ目は、介護サービスを必要としている人物の、介護度の認定をすることです。
介護度とは、利用者の受ける介護サービスの内容を決めるため、容体を要支援1から要介護5までの7段階に分けた数字のことです。
利用者の申請があった場合、自宅に訪問し、状況を確認したうえで「要介護状態」や「要支援状態」といった介護度の認定を行います。
2つ目は、ケアマネージャーの最も重要な業務ともいえる「ケアプラン」の作成です。
ケアプランは、利用者に対する介護の方針や具体的な内容、達成したい目標を定めたものです。
サービス事業者は、このプランに沿って利用者へサービスを行います。
ケアマネージャーは、介護が始まった後も定期的に利用者のもとへ訪問し、立てたプランによるサービスと利用者の容体にズレはないか、不満は無いかなどのヒアリングを行い、場合によってはプラン内容の調整を行います。
3つ目は、給付管理の業務です。
介護サービスの利用料について、支給限度額をチェックしたり、1~3割の利用者負担の確認をしたりします。
サービス事業者が給付金を受け取ることができるよう、必要な書類を作成して提出するところまでが仕事です。
必要書類には、サービス利用表やサービス提供票、別表、給付管理表などがあり、これを作成することになります。
4つ目は、介護サービスの利用者の家族とコミュニケーションをとることです。
サービスを受けるのはもちろん利用者本人ですが、利用者の家族も当然無関係ではなく、むしろ大きな影響を受けることになります。
ケアマネージャーとして、利用者本人から拾いきれない細かな相談事や要望なども、家族からしっかり聞き取っていく必要があります。
▼詳しくはこちら
40代が転職するとどうなる?ケアマネージャーの仕事・給料・資格
ケアマネージャー(介護支援専門員)の受験資格
ケアマネージャーの資格を取得するためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
資格試験を受ける前に、自分が条件を満たしているのかを必ず確認しておくようにしましょう。
ここでは、ケアマネージャーになるために必要な条件について解説します。
◆特定の業務経験は通算5年以上必要
2018年より新制度が適用となり、以下の業務に就いていた通算年数が5年以上あることが必要条件となりました。
1つ目は「国家資格等に基づく業務」です。
医師、看護師、介護福祉士、あん摩マッサージ指圧師、栄養士など、該当する資格は20以上ありますが、そのうちどれかの資格にもとづく業務を行った経験を持っている必要があります。
2つ目は「生活相談員」です。
特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護などで行った、生活相談員としての業務が対象です。
3つ目は「支援相談員」です。
これは、介護老人保健施設における支援相談員の業務を指します。
4つ目は「相談支援専門員」です。
障害児相談支援、計画相談支援としての業務が対象です。
5つ目は「主任相談支援員」です。
生活困窮者自立相談支援事業などでの、主任相談支援員としての業務が対象となります。
上記のうち、通算で5年以上ですから、途中で業務の種類が変わることは問題ありません。
ただし、日数の要件を満たしているかどうか不安がある場合は、必ず試験を管轄している団体に確認するようにしてください。
◆実務経験は試験前日までが含まれる
「該当の業務を通算で5年以上、かつ従事した日数が900日以上」という実務経験の条件は、試験日の前日までが対象となります。
この日数の規定ですが、勤務形態や勤務時間にかかわらないため、正社員、派遣社員、アルバイト、パートと、どれであっても同じように換算することができます。
試験を受ける際にはいくつかの書類を提出する必要がありますが、そのうちのひとつに「実務経験(見込)証明書」というものがあります。
書類の提出日に期日の条件を満たしていなくても、前日までに日数に到達する場合は、実務経験見込証明書にその旨を記載するようにしましょう。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の試験概要
ここでは、ケアマネージャーの、試験を受けるまでにどのような流れが必要か、試験の内容について、さらに試験の合格率はどの程度かなど、試験の概要について紹介します。
一般的に難易度が高いとされているケアマネージャーの資格試験ですが、ここ数年の合格率も併せてチェックしておきましょう。
試験を受ける前に、一連の流れを把握しておいてください。
◆試験までの流れ
ケアマネージャーの資格試験は、毎年10月頃に行われています。
それに伴い、申し込み期間は5~8月に設定されていることがほとんどです。
試験を受けるための申し込みには、願書の提出が必要です。
願書は各都道府県や市町村、社会福祉協議会などで配布されています。
まずはこれを忘れずに受け取るようにしましょう。
必要書類は、先ほどの実務経験(見込)証明書に加え、受験申込書、証明写真、資格証明書があり、さらに受験者の状況によってはその他の書類が必要になる場合もあります。
これらすべてを揃えて、定められた期間内に提出しましょう。
当然ですが、期間を過ぎてしまえば、いかなる理由があっても申し込みは受け付けてもらえません。
万が一のことを想定して、期限には余裕を持って提出することをおすすめします。
手続きが無事完了すれば、受験票が手元に届きます。
試験日の2週間前には届く予定となっていますので、もしその時点で手元にない場合は、試験を実施する団体に連絡して状況を確認してください。
紛失してしまった場合も、同様に連絡が必要です。
◆試験の内容
試験は筆記ではなく、5つある選択肢の中から正しいと思うものを複数選ぶ五肢複択式で、多くの都道府県ではマークシート方式の解答用紙が使われています。
試験時間は10~12時の120分で行われ、問題数は60問です。
内訳としては、大きく2つに分かれており、まず「介護支援分野」から25問が出題されます。
ここから問われるのは、介護保険制度の基礎知識、要介護認定等の基礎知識、居宅・施設サービス計画の基礎知識等です。
さらに「保健医療福祉サービス分野」からは、保健医療サービスの知識等から20問と、福祉サービスの知識等から15問の計35問が出題されます。
実技試験などはないため、この試験に合格すれば無事資格取得です。
◆試験の合格率
試験の結果は郵送で通知が届きますが、実施団体のホームページで確認できるケースもあるようです。
ここ5年程度の試験の合格率は、2016年度で13.1%、2017年度で21.5%、2018年度で10.1%、2019年度で19.5%、2020年度で17.7%となっており、年度によって差はあるものの10~20%の間で推移しています。
この合格率から考えると、やはりかなり難易度の高い試験であると言えます。
合格の基準として、各分野で70%程度の正答率であることと定められていますが、これはその年の試験難易度によって調整されます。
とはいえ、合格しているか気になる場合は、目安を各分野の70%としておくとよいでしょう。
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ケアマネージャー(介護支援専門員)取得のメリット
資格を取得し、ケアマネージャーとして働けるようになった場合、どのようなメリットがあるのかを解説していきます。
もともと需要が高いと言われている介護職のなかでも、合格への難易度の高いケアマネージャーの資格を持っていることは、就職や転職、キャリアアップにも有利に働きます。
具体的なメリットにはどのようなものがあるのか、確認しておきましょう。
◆活躍できる機会が増える
ケアマネージャーの資格をとることで、仕事の幅が一気に広がるようになります。
ケアマネージャーが行うことができる仕事は多く、例えばケアプランの作成や介護サービス利用者の介護レベルの判定、給付管理表の作成などがあります。
資格がない時と比べると、任せてもらえる業務が多くなり、活躍の場が増えるでしょう。
もちろん大変なこともありますが、同時に大きなやりがいも得ることができます。
また、もし転職を考えているのであれば、転職先の選択肢は一気に広がります。
仕事の内容が似ていても、労働条件は施設によって異なります。
資格を持ち、できることが多ければ、より自分の希望する条件に近いところから職場を選べるでしょう。
これは非常に大きなメリットだと言えます。
◆勤務時間の融通が利きやすくなる
ケアマネージャーは自分で勤務のスケジュールを組むため、勤務時間の調整がしやすいというポイントがあります。
また、実際に利用者の方へ介護サービスを提供する仕事ではないため、メインの勤務時間帯は昼間であるケースが多いようです。
家庭の都合や自身の体調の問題などで、夜勤で仕事をするのが難しい場合、業務時間が日中になると助かると感じる人も多いでしょう。
このように、ケアマネージャーとしての業務に就くことで、勤務時間の融通が利きやすい環境にしていくことができます。
◆給与などの報酬がアップする
資格を持たない介護職員と比べて、ケアマネージャーはできる業務も多く、かつ試験の難易度も高いことから需要の高い職業です。
これを踏まえると、資格を持っていない職員よりも給与が上がりやすいと言えるでしょう。
実際に、施設によっては資格手当を設けているところもあります。
平均の月収を比べたときに、同じ介護系の資格である介護福祉士の場合は22万円前後であるのに比べ、ケアマネージャーは26万円前後であるとされています。
やはりケアマネージャーの資格を持っている方が、給与は上がりやすいようです。
▼詳しくはこちら
ケアマネージャーへ転職!仕事と介護福祉系求人サイト9選を解説
まとめ
介護系の資格は、介護職員初任者研修や介護職員実務者研修、介護福祉士、認定介護士、そしてケアマネージャーといくつかの種類があります。
ケアマネージャーは、そのなかでも難易度が高い資格です。
5年以上の実務経験が受験資格として定められているだけでなく、試験自体の合格率も10~20%に留まっていることからも、それが分かるでしょう。
資格をとることは非常に難しいですが、その分資格取得に成功すれば、できることが一気に広がります。
その分責任も重くなりますが、自分の立てたプランで利用者の方が介護サービスを受けている姿を見たり、ご家族の悩みが解決していくのを見たりすることは、大きなやりがいになるでしょう。
それに加えて、自身が働きやすい環境を得ることと給与アップを叶えられるケアマネージャーの資格は、介護の仕事をするのであれば目指して損のない資格です。
難しい資格ではありますが、ぜひチャレンジしてみてください。
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